医療現場の接遇ワンポイント講座 『自責傾向を掴む』
事例では、忘れ物をされた患者様の言葉にどう反応したらよいのか困っているようですね。
「(必要以上に)自分が悪かったのでは」と考え、人の責任を背負い込み自分を責める傾向の強い人(自責傾向の強い人)に対して、スタッフは何に気をつけるとよいのでしょうか。
ポイントは“必要以上に”という点ですから、本人のストレスも大きいことでしょう。スタッフからは、次のように負担をかけない配慮が必要です。
表情や口調に敏感であるため、優しいコミュニケーション
を心掛ける
遠慮する、自分を抑えることが多いので、声をかけやすい
雰囲気をつくる
相手の様子をよく見て、気にするような素振りがあれば、
不安な点や理解度を確認する
不一致やすれ違いがあった場合には、こちらも責任を引
き受け具体的には「こちらの説明不足で、ご心配をおかけしました」
や、「こちらから確認させていただければよかったですね。申し
訳ありません」などの表現があると、自責傾向の患者様の負担を
軽減することができます。
この場合も、思いやりの心を持って、スタッフ側が物事を真摯
に受け止めるとともに普段から相手に負担を背負わせることの
ないよう、丁寧な対応ができるとよいですね。
前提として、“こういった傾向を持つ人もいる”という価値観
の理解も重要です。自分と相手は異なるもの。だからこそ、異な
る相手に自らが歩みよるためのコミュニケーションが大事なの
です。
もし、自分自身が自責傾向の強い人ならば、人の責任を“必要
以上に”背負わない強さを身につけていくことが、ストレスを溜
めない秘訣になるかもしれません。
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