「連絡帳」を“手書き”から“アプリ”へ 先生の負担減らし園児と向き合う時間つくる 長野県飯田市の保育園
業務を改善し、安心安全に力を割く
連絡帳アプリの画面を見せる明星保育園の山内さん
園児の置き去りなど、保育現場の業務負担や人手不足に起因する問題が相次ぐ中、長野県飯田市が市立保育園への情報通信技術(ICT)導入を進めている。園と家庭をつなぐ「連絡帳」をスマートフォンの専用アプリに移行するなど、既に成果を上げている市内の民間保育園の取り組みも参考に、3年かけて全市立保育園のICT化を進める。 連絡帳アプリの他にも、機械による園児の出欠席管理などICT化の内容はさまざまだ。市は本年度初めて、ICT化に取り組む保育園に補助金を出し、民間5園に交付決定した。 市内でいち早くICT化に取り組み、市も参考にするのが民間の明星保育園(鼎切石)だ。同園は2020年9月以降、手書きの連絡帳をアプリに移行した他、機械による園児の出欠席管理を導入。職員は近距離無線通信に対応したイヤホンを付け、すぐに連絡を取り合えるようにもした。 園長の山内ひろみさん(59)は「人材雇用が難しい中で、若い保育士たちが頑張り過ぎなくてもいいような職場をつくらなくてはいけないと思っていた」と話す。ゆとりをもって園児と向き合える環境づくりが、魅力ある職場づくりにつながると考える。
アプリで子どもたちの様子を写真配信
ICT化で書き仕事が減った一方、別の効果もあった。連絡帳アプリでは、給食の献立を毎日写真で配信できる。園児の様子も毎日数枚、写真で伝えている。コロナで長期休園となった際には、動画配信で家庭とコミュニケーションを取った。 手書きの連絡帳がなくなることに当初は保護者から不安もあったが、アプリに移行してみると「パパも毎日楽しみに見てくれる」と好評だ。年長の担任を務める小原梨恵さん(43)は、連絡帳向けに園児の写真を撮ることを通じて「職員同士が語り合うきっかけにもなっている」と話す。 同園はICT化の他にも、会議時間を30分以内とするなど多方面で業務改善に取り組んでいる。山内さんは「ICT化はあくまでも人をサポートするためのもの。安全安心な保育環境をつくっていきたい」と話している。(信濃毎日新聞デジタルより)
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