ハラスメントのない職場~持続可能な園になるために~

ご承知のとおり今春から「パワーハラスメント防止措置」がすべての企業に義務化されました。大企業だけでなく園の運営においてもパワハラへの取り組みが求められるのです。パワハラとは何か、パワハラを防ぐ体制づくりについて考えてみましょう。今回は実際に保育園で起きた事例をもとに考えてみます。

 

保育園の事例

 

  • 子供が熱を出したので、看護休暇を取りたいと言ったら、「奥様は?あなたが休むの?」と言われた。

上司から同僚からの育児休業等の利用に関する言動により、育児休業などを申し出取得した男女職員の就業環境が害されることを、育児休業等に関するハラスメント(マタハラ)と言います、子の看護休暇を取ることは、法律で認められた職員の正当な権利です。正当な権利行使を非難するような言動がなされないように留意し、だれもが心地よく働けるような就業環境を創り上げていきましょう。

 

  • 先輩が「ごめんなさいね、あの先生、本当に何も知らなくて」と、保護者に笑いながら話していた。

パワハラの代表的な言動の類型に、精神的な攻撃(脅迫、名誉棄損、侮辱、ひどい暴言)がります。正当な理由がないのに先輩がこのような発言をしていたら後輩にたいする侮辱に該当する可能性がありますので、このような言動委は慎んでください。もし、先輩職員が、事情があってこのような言動を行っていたならば(例えば、後輩職員は気づいていないが、後輩職員のミスで保護者が立腹していたので、後輩職員をかばう目的でこのような言動をした結果、保護者が笑って許してくれた等)保護者のいないところで後輩職員に事情を説明してフォローをする必要があります。

 

  • 「プールの組み立ては力のある男性の仕事ね」と任されたが、一人では無理。でも誰も手伝ってくれない。」

パワハラの代表的な言動の類型の一つに、(過大な要求)に該当します。業務を命じる立場にある職員は、男性だから力が強いとか、女性だから非力だ、といった精査による偏見(ジェンダーバイアス)を捨てて、業務の内容を適切に把握し、一人の職員に過度な負担がかからないように注意しましょう。

 

 

コミュニケーションは十分ですか

 

職員間のコミュニケーションはとても大切です。人間関係が十分でないと、何気ない一言や行動が相手を不快な気分にさせることがあります。更に価値観が多様化する昨今においては、相手への一層の配慮が必要です。園内の日常会話や習慣の中にハラスメントにつながるものが無いか、振り返ってみましょう。

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