厚労省、処遇改善加算の申請書類を簡素化 今年度から 記載項目を削減 介護の事務負担軽減を目指す

厚生労働省は今年度から、介護職員の処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ支援加算の算定に必要な書類の簡素化に踏み切る。これまで検討を進めてきた具体的な内容を、16日の審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で明らかにした。

得られた加算額を余すことなく職員に還元しており、他の部分で賃金を下げるようなこともしていないか − 。


これらをチェックする目的で事業者に求めていた計画書・実績報告書の記載を、思い切って簡素化する。現行では、3種類の加算それぞれについて賃金総額や賃上げ額などの前年度との比較を書かせているが、これを見直す。

あわせて、複数の事業所を運営する法人に課している事業所ごとの記載も減らす。介護現場の事務負担を軽くすることが狙いで、具体策は次の3つだ。


(1)計画書:前年度との賃金額比較の省略


・今年度の賃上げ見込み額が、3種類の加算それぞれの見込み額を上回ることを確認する。


・前年度との比較までは求めず、加算以外の部分で賃金を下げないことの誓約を求める。


※ 2023年度の計画書から適用。


(2)実績報告書:3加算の比較の一本化


・計画書と同様に今年度の賃上げ額が加算額以上であることを確認する。


・前年度との比較は加算ごとではなく、3種類の加算一体での計算とする。具体的には、「今年度の賃金総額」から「3加算による賃上げ額の合計」を引いた額を前年度と比べ、加算以外の部分で賃金を下げていないことを確認する。


※ 2023年度の実績報告書から適用。

(3)計画書と実績報告書:事業所ごとの賃金総額の記載省略


複数の事業所を運営する法人の場合、賃金総額や賃上げ額などの事業所ごとの記載を不要とし、法人単位での確認とする(現行は事業所ごとの内訳の記載が必要)。


※ 2022年度の実績報告書、2023年度の計画書から適用


厚労省は今後、こうした簡素化を反映させた計画書・実績報告書の新たな様式を、来月末頃に通知する予定。来年度の計画書の提出期限は4月15日まで。今年度の実績報告書の提出期限は、今年6月頃を予定している。(介護ニュースより)

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