介護職員の月給26万円 年収381万円 全産業平均との格差は年75万円超=組合最新調査
全国の介護職員らでつくる労働組合「UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)」は26日、組合員の給与実態を把握する調査の最新の結果を公表した。
それによると、月給制で働く介護職員の平均は月給が26万1018円、年収が380万8000円(*)。年収の全産業平均との差は75万6300円で、ひと月あたり6万3025円となっている。
* ここでいう月給は所定内賃金。通勤手当や時間外手当、早朝・夜間手当などは含まない。一方の年収はこれらを含んだ総額。いずれも税金や保険料などを引かれる前の額面で“手取り”ではない。
年収の全産業平均との差は、前年(96万7100円)より21万800円縮小。処遇改善加算の拡充をはじめとする国の施策に加え、厳しい人手不足に伴う人材獲得競争の激化なども影響しているとみられる。
とはいえ、全産業平均と介護職員の“給与格差”は依然として大きい。今回の調査結果では、今の水準に「満足している」と答えた介護職員は35.5%にとどまり、全体の62.4%は「不満」を選んでいた。
NCCUの染川朗会長は会見で、「まだまだ格差が是正されていない。処遇改善策の更なる拡充が必要。早めに手を打たないと、介護業界はサービスを支える側から崩壊してしまう」と問題を提起。「社会全体として賃上げの機運が高まるなか、介護職員だけを置き去りにしてはいけない」と強調した。
この調査は、NCCUが組合員を対象として昨年8月から9月に行ったもの。月給制で働く2134人から有効な回答を得ている。(介護ニュース)