不適切保育、10年で120件 増加傾向、特別監査も
富山県や静岡県の保育施設で園児への虐待事件が相次いだことを受け、共同通信が都道府県や政令市など全国の95自治体にアンケートを実施したところ、2013年度以降の約10年間に、虐待などの不適切保育を理由とした園側への行政指導や処分が37自治体で計120件に上ることが5日、分かった。指導・処分するに当たり施設に立ち入って職員らから聞き取りをする「特別監査」は64自治体が計301件実施していた。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う休園が相次いだ20年度を除き、特別監査、指導・処分ともに増加傾向がうかがえた。手薄な配置基準による保育士の負担増大や、保護者のしつけや体罰に対する意識の変化が背景にあると専門家はみている。
指導・処分の約半数に当たる63件が「内容が軽微」「指導によって改善した」などの理由で公表されていなかった。川崎市と鳥取県が「内容にかかわらず全件公表した」と回答した一方、22自治体は「公表基準がない」などとして全ての事案を公表していなかった。(東京新聞電子版より)